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【最新】リサイクル市場の動向は?現状から見える課題や今後について


リサイクル市場は年々需要が高まっており、新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい経済環境が続くなか、リサイクルショップなどの支持は成長傾向にあります。

また、SDGsが世界的に重視されるようになり、リサイクルやリユースに関心を向ける消費者が増えたことも原因といえるでしょう。

本記事では、リサイクル・リユース市場の現状や課題、今後予測される動向などについてお話ししていきます。

リサイクル業界に携わっている方や、リサイクル市場の動向に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

リサイクル・リユース市場の現状

まずは、リサイクルやリユース市場の現状について解説します。

リサイクル市場の企業別の売上ランキングについても紹介しますので、現在どのような状況にあるのかを確認していきましょう。

業界規模は拡大している

リサイクル・リユース業界の市場規模は拡大傾向にあります。

2020年時点での市場規模は、業界紙「リサイクル通信」の調査結果によると、前年比2.5%増(2兆4,169億円)を記録しています。

業界規模が拡大した理由としては、SDGsの広まりによる環境意識の高まりが挙げられます。世界中で再利用や再資源化を促進する声が広がっていることにより、不用品を廃棄するのではなく、リサイクルショップなどの買取サービスを利用する人が増えました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大も影響を与えています。テレワークを採用する企業が増えたことにより、必要な家具(デスクやチェア)やパソコンなどを中古で購入する人が多いようです。

とはいえ、中古品を取り扱う全ての事業の業績が右肩上がりというわけではありません。

コロナ禍により、休業や営業時間の制限が設けられ、オンラインショッピングが普及しました。そのため、店舗型の中古品業者は売上が減少しており、反対にフリマやオークションなどのインターネットを使ったリサイクル・リユース市場においては、需要が高まっている現状です。

店舗型からネット型への移行

少し前まで、リサイクルショップといえば、ゲオやハードオフ、ブックオフなどの店舗型ショップがメジャーでした。

しかし、上述のように経済情勢などによって、店舗型のリサイクル業者は売上が減少しました。そのため、これまで実店舗で営業していた事業者も、店舗型からネット型の業態に移行しつつあります。

また、実店舗を持たずにオンラインのみのリサイクル・リユース事業を営む事業者も増加しており、今後はさらにネット型のリサイクルショップやリユース業者が増えていくとされています。

さらに、海外からの観光客が減ったことにより、海外顧客向けに実店舗でビジネスを行っていたリサイクル業者も、ネットでの取引を始めることが多くなりました。

リサイクル市場の売上ランキング

リサイクル市場はネット型が主流になりつつあるとはいえ、既存のリサイクルショップは業態を変えることで多くのシェアを維持しています。

ここでは、リサイクル市場の代表的な企業について、売上ランキングをまとめました。

ランキング企業売上高(億円)
1ゲオホールディングス1,684
2メルカリ1,470
3ブックオフグループホールディングス915
4コメ兵ホールディングス711
5バリュエンスホールディングス525
6シュッピン434
7テンポスホールディングス290

※2021年から2022年までの売上を参考

メルカリなどのフリマアプリは近年勢いを見せており、スマホを使って簡単に個人間の取引ができるシステムは需要が高まっています。

また、オークションは20年ほど前から利用されていますが、現在も市場が拡大している傾向にあります。

リサイクル・リユース市場の現状から見える課題

ここまでの流れで、リサイクル・リユース市場の現状について解説しました。

以下より、それらの市場において、現状から見える課題について紹介していきます。

業界の課題を理解することで、自店舗における今後の対策が取りやすくなるため、しっかりと確認しましょう。

業界内の競争が激化している

オンラインに軸を置くリサイクル・リユース業者の増加により、EC業界の競争が激しくなっていることが課題として挙げられます。

これまで店舗型のリサイクルショップで多くのシェアを集めていた企業は、その資本を活かしてEC事業へと参入しました。また、EC事業に注力するだけでなく実店舗と合わせて幅広く事業を展開しているため、資本の少ない小規模店舗は売上の低迷が目立っている状況です。

また、ECの場合は店舗のスペースなどに左右されずに在庫を持てるため、幅広い商品を取り扱えるようになりました。そのため、業者ごとの差別化が難しく、価格競争が激しくなっていることも特徴です。

これまでは、何らかのジャンルに特化することで、その専門性を活かして他店との差別化が図れていました。しかし、現在は取り扱える商品数・ジャンル数に制限がなくなったため、より顧客の定着が難しくなっているでしょう。

店舗型・ネット型双方の強化が必要

リサイクル・リユース市場は現在激しい競争下にあるため、対策としては「店舗型・ネット型双方を強化すること」が挙げられます。

特に、店舗での売買が主な売上源となっている場合は、現在需要が急増しているフリマやオークションの影響により、今後も厳しい業績が続くと考えられるでしょう。

このように、差別化が難しいうえに強力なシェアを持つ企業に圧倒されやすい現状から、十分な売上が見込めないことが課題として挙げられます。

そのため、店舗型のリサイクルショップはEC事業にも目を向けたり、ネット型の事業者はさらにデジタル面での集客率アップや認知向上を目指したりする必要があるでしょう。

リサイクル・リユース市場の今後について

リサイクル・リユース市場の課題は、業界内の競争が激しくなっており、店舗型・ネット型の双方の事業者が強化を目指していく必要があることでした。

ここからは、現状と課題点を踏まえたリサイクル・リユース市場の今後の動向予測についてお話ししていきます。

SDGsの広まりにより、消費者はリサイクルやリユースに目を向けた生活を送るようになるでしょう。そのため、今後も市場は拡大していくと予想でき、需要の高まりが期待されます。

CtoCのEC事業は世界的に成長傾向にあるため、特にオンラインで取引可能なフリマやオークションはさらに一般化し、中古品を売買する個人が増えていくでしょう。

ただし、個人間の商品の売買はトラブルの発生リスクも懸念されるため、必ずしも右肩上がりで増加していくとは限りませんが、今後も消費者間の取引規模は拡大していくと見られます。

そのため、リサイクル・リユース市場もさらに拡大していくと予想できます。

まとめ

本記事では、リサイクル・リユース市場の現状と課題点、そして今後の動向についてお話ししました。

オンラインの普及によりEC市場を主として業界規模は拡大傾向にありますが、その反面業界内の競争は激しくなっている現状です。

そこで、差別化に向けて強化し、今後も規模が拡大すると考えられるリサイクル・リユース市場での事業の成功に向けて、対策を取っていくことが求められます。

今回お話しした内容を参考に、今後の市場で戦っていくための戦略を考えてみてください。

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